−Voice 大阪教育大学・入口 豊監督
土屋がこの1年のトップだけでなく、サテ、Iリーグも含めた名シーン、得点シーンのDVDを作ってくれて、それをみんなで見てひとつになってやろうという気持ちで臨んだ。守る立場は初めてだが、この1試合で勝ったら1部、負けたら2部というのは去年と変わらない。同じ気持ちでやろうと選手たちには話した。2部の順位決定戦ではどちらも2本めを出していたので、余計にうちは燃えていた。後期だけならうちは1部で6位。その自信を持ってやれば大丈夫と言っていた。リーグでも逆境を乗り越えてきたチームなので、もし今日延長になったとしても必ず最後まで頑張れると信じていた。市大としては、0で行って後半に10番(小柳匡平)を投入というプランだったのだろうが、早い時間にこちらが得点したことで崩れたのではないか。森原はああいう場面では必ず取ってくれる。あそこで2点取ったことは大きかった。だがミスが出て、1部が相手だったら失点していたろう場面もあった。
通年制でうちが一番そのメリットを生かせた。選手たちの力は確実についたし、今日のスタメンで抜けるのは仲宗根だけ。そこを埋められたら、来年は春からもうちょっといけると思います。

来年の1年がかかっていたし、今は勝ってホッとしています。いつも僕らはチャレンジする側で、守る立場は慣れていない。でも相手よりも自分たちのサッカーをしようとずっと言っていた。2−0は怖かったが、先に取れたことは大きかった。大学でも2−0からひっくり返されたことがあるので、3点めを取ることを意識していた。追加点が取れなくても、慌てないようにしようというのは、しっかりできたかなと思います。市大の10(小柳匡平)はうまいので、ボランチをマンツーであててふさいで、サイドに出たボールを早く運ぼうと意識した。後半の中盤以降にはいい攻撃もできたが、守られてしまった。「堅守速攻」が大教の目指すところで、堅守をすれば負けない。今日も危ないシーンはあったが、取られなかったのは1部で勝っていく中で得た部分だと思う。
4年間やってきて、チームワークの大事さを感じた。技術だけでなく応援や、チームのことを試合に出ていない4回生が率先してやってくれている。その技術以外の気持ちの部分を残せるように後輩たちにはやっていって欲しい。僕らの学年は入学した年が1部で、自動で落ちたのも知っているし、勝って上がれたし、こうやって残せてタイミングよくいい経験ができた。今年の1回生にとっては1部が普通のことかもしれないが、3回生は上がったことも残ったことも知っている。その経験を生かしていければ、まだまだ強くなっていけると思う。
(左がキャプテン・仲宗根和。右は次期キャプテン予定の大久保悟。「悟にすべてを託して卒業します」)
−Voice 大阪市立大学・河端隆志監督
緊張してゲームの入り方ができていなかった。場慣れしていないというか、最初のミスで失点してしまい、それを含めて実力だった。小柳がケガで頭から使えなかったことも運だった。だが、前半にミスで2点取られたが、1点取ったら分からない。そういう意味では2失点めは余計だった。向こうの攻撃は多彩なわけではないし、完全に割られたわけではない。後半はこちらの攻撃がはまったが、攻めきれていなかった。こういうゲームを経験すればチームとしてのレベルは上がると思う。うちも絶対的な強さで2部を勝ってきたわけじゃない。市大らしいサッカーをやれるようになってきたし、今日はいいサッカーをしてくれた。悔しいけれどもうちの出せるものは出せた。負けたけれどもいい試合だった。
−Voice 大阪市立大学・竹田良祐(DF・主将)
立ち上がりに相手に対して臆した部分があり、自分たちから仕掛けられなかった。大教もこちらを研究してきていたので、1発でウラを狙われていかれてしまった。最初、自分たちのサッカーを見失っていて、その立ち上がりの集中力の差が1部と2部の差だったと思う。2部ならばそこで外してくれて、やり直せるが今日はそうはいかなかった。後半は3バックにして前に人数をかけて、前からしっかり走ることを徹底した。走って仕掛けていけば、2部ならばどこかで集中が切れてミスが出るが、大教大は集中を切らさずに最後まで声も出ていたし、足元もうまくて技術にも差があった。でも通用した部分もあるので、そこをもっと増やせるよう、相手のようにコミュニケーションをしっかり取れるチームを作っていって欲しい。
市大は自分たちで考えて作るチームで、僕が1、2年の頃は負けてばかりで勝ち方を知らなかった。この1年は今までの3年分くらい勝ちを味わえたが、来年は今年知った勝ち方を徹底して、勝てるチームを作っていって欲しい。うまくなくても勝てるし、自分たちのサッカーに誇りを持ってやっていってくれることが一番嬉しい。気持ちのチームの魂の部分を引き継いでいってくれることが、大事だと思う。