2008年01月14日

【07インカレ】決勝戦/法政大−早稲田 監督・選手コメント

第56回全日本大学サッカー選手権大会 決勝戦・法政大−早稲田大の監督・選手コメントです。
−Voice 早稲田大学・大榎克己監督
 今年は関東リーグでは2位、22試合で53得点29失点で、得点力はともかく、失点は優勝した明治大に比べて10点も多かった。そこから1ヶ月、守備の意識を全員が強く持ってやってきた。この大会では6試合で3点と、失点を抑えられたのが勝因だと思う。
 何しろ今年の早稲田は、昨年のインカレ決勝の1−6の大敗からスタートしたチーム。「あの悔しさを忘れるな」と誓い合って戦ってきたが、7月の大臣杯には(関東予選で負けて)出られず、リーグでは2位。残されたタイトルに全てをかけ、今この結果が出た。
 この大会を振り返って、準決勝の駒澤戦(2−1)では、高い位置からのプレスに手も足も出ず、ハーフウェイをなかなか越えられない苦しい試合だった。うちの基本はパスをつないで攻めるポゼッションサッカーだが、相手のいいプレスの中でつなぎの精度が落ちるのが課題。足元だけでなく、相手の守備の裏を狙うパスを意識した。パスをつなぐのはそれ自体で満足してしまいやすいが、点を取るという目的を忘れず、技術戦術のクオリティを高めていくのが、駒澤の速さと強さを破るカギだ。
 決勝の法政大は、過去2年間6試合で1勝5敗の相手。個の力が高く、しっかりとボールを扱い、きっちりつないで崩してくるチームで、うちにとってはいつも「いい試合はできるが勝ちきれない相手」だった。今日は、高い位置からプレスをかけ、ゾーンで守りながらバランスを保つことを意識した。乱れはあったが、法政のシュートミスにも助けられて無失点で切り抜けられた。準決勝、決勝と、2点とってから少しネガティブにラインを引きすぎ、相手にペースを握られてしまったのが反省点だ。
 早稲田大学の中では、ア式蹴球部は駅伝部と並んで「強化重点部」と言われ、野球部やラグビー部の間で肩身の狭い思いをしてきた。一昨年1部に昇格できたことでプレッシャーはだいぶなくなったが、今年は創立125周年ということで、ぜひタイトルを取りたかった。正月に箱根駅伝で駅伝部が結果を出し、昨日(12日)はラグビー部がここ国立で大学チャンピオンになり、いい流れを感じていた。準決勝、決勝の相手は実力の差はなく、どちらが勝ってもおかしくない対戦だったが、そうした目に見えない力があったと思う。
 125周年だからというわけではないが、強化にあたっては大学とOB会の強化委員会が力をつくしてくれた。人工芝のグラウンドなど環境も整えていただいたし、スポーツ推薦として3〜4人、AO入試の自己推薦枠で3人程度、いずれもJのチームと競合するような選手たちを、ポジションを考えながらスカウトしてきた。
 しかし、そうしたエリートばかりではなく、一般入学の選手たちが、努力してチームを支えてくれているのが大きい。今日出場したCBの横山は一浪して来てくれた苦労人だし、SBの藤森は早実からの持ち上がり。そうした選手たちの頑張りが周囲の刺激になり、チームのレベルアップにつながっている。
 今年を振り返ると、リーグで負けが込んで苦しい時期もあったが、それを乗り越えて1〜2年が定着してきて、主力が入れ替わったと思う。私は学年にはこだわらないが、力が同程度なら上の学年の選手を起用する。Jリーグなら若い方を使うが。しかし、情で使うことは絶対にしない。実力や調子をよく見て、フェアに選手に接し、試合に出られない理由を尋ねられてもきちんと説明できるようにしてきたつもりだ。
 今年、今日の優勝と同じくらい嬉しかったのは、Iリーグでの優勝。19試合17勝2分0敗で、本当に見事な成績だった。トップチームだけでなく100人の部員全員が力をつけたという証明になったし、チームに勢いを与えてくれた。今年のチームから4年生が抜けるが、トップ以外にも戦えるメンバーがいるので、来年以降も優勝にからむ力は充分にあると思う。
 4年前の就任時、早稲田の蹴球部は同好会的で体育会の厳しさがない、体質改善してくれと言われたが、実際に学生に会ってみると、「うまくなりたい、強くなりたい」というギラギラした目の輝きを感じた。結果が出なかったのは、選手たちのやる気の方向がバラバラだっただけで、私はそれを統一しただけ。4年間、選手の頑張り、大学とOBの方々のサポートがあって、これだけの力がついた。私は今年でチームを去る(清水エスパルスユース監督に就任)が、これからもずっと優勝し続けられるチームであってほしい。

−Voice 早稲田大学・兵藤慎剛(大会MVP・4年)
 優勝できた上にこんな賞をもらえて嬉しい。チームメイトが支えてくれたおかげだと思う。
 今年の早稲田は、自分で言うのもなんだがすごくいいチームだった。なのに、目標としていた大臣杯・関東リーグとの3冠がかなわず、インカレのみになってしまったことに、主将として力不足だったと感じている。最後にこういう結果が出て嬉しいけれど、もっとやれたはずだという思いはある。
 今年は正月に駅伝でいい結果が出て、早稲田の年になる予感というか、勢いを感じた。昨日ラグビー部が勝ってさらにいい流れができて、自分たちもそれに続くことができてよかった。
 この4年間を振り返ると、監督と都リーグの時から一緒にサッカーが出来て、いろいろなものを与えてもらったと思う。3年までは先輩に引っ張ってもらった。4年で主将になって、最初は大変だったが、早稲田の部員はみな真面目でやるべきことがわかっているから、やりがいがあったし、いいチームができた。後輩たちには、今回の優勝に満足せず、3連覇4連覇を狙ってほしいし、自分自身は次のステップに向けて頑張っていきたい。

−Voice 早稲田大学・伊藤拓真(大会ベストGK・3年)
 去年のインカレ決勝には僕も出ていて、あの悔しさは1年間ずっと忘れられなかった。今日この舞台でリベンジを果たせて本当に嬉しい。
 今年の4年生の力はすごく大きいが、先輩方が抜けた後、自分たちの代で弱くなる気はしない。自分たちが下の代を引っ張っていけたら、来年またこの舞台に戻って来られると思う。またここで勝てるように頑張っていきたい。

−Voice 早稲田大学・金守貴紀(大会ベストDF・4年)
 この大会は今までと違い失点が少なかった。最後まで集中して走れたのは、去年のインカレ決勝の大敗の悔しさがあってこそだと思う。
 ベストDFという賞をもらったのは出来すぎ。みんなの支えに感謝している。

−Voice 早稲田大学・松本 怜(大会ベストMF・2年)
 自分はグループリーグ初戦の東北学院大戦でベンチ入りもできず、その悔しさから練習で必死にアピールしたら、調子が悪いながらも使ってもらえて決勝まで来た。この大会を通して成長できたと思うので、監督にはとても感謝している。
 その監督や、4年生の先輩たちは今日が最後なので、とにかく勝って恩返しがしたかった。その思いだけで今日はがんばれた。ベストMFなんてまるで考えていなかったのでとても驚いているが、来年も取れるよう努力する。

−Voice 法政大学・市川雅彦(大会ベストFW・4年)
 法政での4年間、いろいろなことを学ばせてもらった。今年の4年生は仲がよく、チームワークも最高だったし、このメンバーでここまで来れたことは嬉しく思っている。自分は2年3年のときに怪我でチームに迷惑をかけたが、復帰したときに使ってくれた監督と、辛いときに支えてくれた仲間に感謝している。
 大学で人工芝のグラウンドを作ってもらって、パスやドリブルの精度が高くなったと思うが、あまりよくないグラウンドでも対応できるのが本当の技術だと思う。今日の試合では、やはりインカレ決勝、国立という舞台で、目に見えないプレッシャーがあったのかもしれない。何度か絶好のチャンスがあったが、ああいうチャンスを決められなかったことに、FWとして悔いが残る。今年、このメンバーでタイトルを取りたいと思い、チーム一丸となって目指したが、あと1歩及ばなかったのが残念だ。

−Voice 法政大学・若田和樹(GK・2年)
 準決勝、決勝と、試合の入り方が悪いというか、立ち上がりにミスが出たり相手に押し込まれたりすることが多かったが、あれは今年一年通じてずっと言われていた課題だった。一年間そういう失点が多く、もったいない試合が多かった。決勝の後半は入り方がうまくいって、全体がうまく回り、ペースをつかめたので、ああいう風に戦っていければと思う。立ち上がりには、後ろから「時間を考えてプレイしろ」「落ち着け」と声をかけたが、GK一人でどうにかできる問題ではない。来年はスタメンのほとんどが入れ替わるので、チームも変るんじゃないかなと思っている。
 今日の早稲田のプレイには、インカレ決勝での経験の差を感じた。大敗したとはいっても、経験は無駄にはならない。来年は自分たちが今年の経験を生かして強みにできればいい。
 タイトルは取れなかったけれど、今年はいいチームだったと思う。来年はレギュラーの大半が抜けてゼロからのスタートになるが、チャレンジャーとして戦っていきたい。2月3月にしっかり練習して、関東リーグ前期をいい形でスタートしたい。できることなら大学3冠を全部勝ちたいが、それにはまず目の前のトレーニングをしっかりやっていかなければ。

 <コメント取材協力(敬称略)>
  後藤朝子


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